トレーニングの効果を倍増させるためには基本的なルールを知っていると便利です。それが「トレーニングの基本8原則」と呼ばれるもの。

これはトレーニングの3原理や5原則とも呼ばれています。

このルールは、効率的に体作りを行うためには意識する必要があり、運動するなら覚えておきたい理論のセットです。

トレーニングの基本8原則とは?

トレーニングの基本8原則とは、「トレーニングの3原理」と「トレーニングの5原則」から構成され、総じて以下表のようにまとめられます。

1 過負荷の原理
2 特異性の原則
3 可逆性の原則
4 漸進性の原則
5 全面性の原則
6 意識性の原則
7 個別性の原則
8 反復性の原則

すべてを一度に覚える必要なんてなく、出来るところから普段のエクササイズに取り入れてみましょう。

今回の記事では、その覚え方から活用法まで分かりやすくご紹介します。

01.過負荷の原理(オーバーロードの原則)

オーバーロードの原則

トレーニングを行う時には、ある一定上の負荷をかけなければ効果は現れません。これを「過負荷の原理(オーバーロードの原則)」といいます。

いつも同じ負荷でトレーニングをしていても、体が慣れてしまい効果が出にくくなります。つまりカラダに変化を出すためには、常に負荷を高めていくことが重要であるということ。

人間には適応能力があります。自分の体の反応を確認しつつ、運動強度(負荷)やレップ数を増やすなどトレーニング効果が薄くなることを防ぎましょう。

02.特異性の原則

特異性の原則

トレーニングは方法・内容によってその効果が変わってきます。これを「特異性の原則」といいます。

筋肉を大きくしたいのに持久力をつける種目に取り組んでいては、直接的な効果にはつながりません。それこそトレーニングメニューは千差万別。目的に合わせた正しいやり方を選択しましょう。

03.可逆性の原則

可逆性の原則

せっかくトレーニングして鍛えたカラダも、継続をしなくなると元に戻ってしまいます。これを「可逆性の原理」といいます。

ダイエットの経験のある方ならお分かりかと思いますが、体力や体型を維持するためには、努力を続ける必要があります。

継続は力なり。ここはぜひ”継続するのが大変だ”と思うのではなく、”継続的に体を動かすことで効果が身体に定着しやすくなる”、と考えてみてはいかがでしょうか。

04.漸進性の原則

漸進性の原則

トレーニングの質・量は少しずつ増加させていくようにすると効果的である、という法則です。これを「漸進性(ぜんしんせい)の原則」といいます。

筋肉を増やすためには同じ負荷の運動を繰り返すのではなく、徐々に負荷を高めていくことが必要です。筋肉のキャパシティーに対して負荷が低すぎては効果が出ません。極論を言うと、食事の時に箸を持つだけでは筋肉がつかないのです。

また、一気に負荷を高くするのではなく徐々に負荷のレベルを上げて体を慣らしていくことが大切。急激な負荷の増加はケガの原因になります。追い込みはよいですが、やり過ぎはよくありません。

05.全面性の原則

全面性の原則

トレーニングは全身バランスよく行うのが良いという法則です。これを「全面性の原則」といいます。

一説によると、人間のカラダの神経は全身つながっています。一部の筋肉だけ集中的に鍛えるとカラダのバランスを崩し、怪我やパフォーマンスの低下につながる可能性があります。トレーニングのメニューはバランスの取れたものを用意しましょう。

また、全身を全体的にトレーニングすることによって、個別箇所のトレーニング効果も相互的に高まってきます。トレーニングの日を部位ごとに分けるのも1つのやり方でしょう。

06.意識性の原則

意識性の原則

筋肉が収縮している時に自分の鍛えたい部分に意識を向けることで、トレーニングの効果がさらにアップするという原則です。これを「意識性の原則」といいます。

まずは自分が行っているトレーニングメニューによってどんな効果を得られるのかを意識するとよいでしょう。二の腕を鍛えたいのか、腹筋を割りたいのか、意識やイメージの力はトレーニングにおいてとても重要です。

回数ばかりをこなすのではなく、筋肉の反応に意識を集中させてみましょう。意識することを続けていると、相乗効果として自分の体を大切にする意識が育まれてくるでしょう。

07.個別性の原則

個別性の原則

トレーニングは個人それぞれの特性に合わせて最適なメニューを組み立てることが大切であるという原則です。これを「個別性の原則」といいます。

性別や年齢が異なれば、最適なトレーニングメニューも異なります。言い換えると、自分に合ったやり方がわかれば、効率的に体を鍛えることが出来るということです。

いつものメニューをこなすだけではなく、自分自身のトレーナーになることをお勧めします。都度時間を取って自分に適したトレーニングメニューを考えてみるだけでかなり効果が変わってくると思います。

08.反復性の原則

反復性の原則

トレーニングは反復・継続することで効果が出てきます。これを「反復性の原則」といいます。

トレーニングは、どんなに負荷の高いものでも数回だけでは効果が得られません。反復し継続することで、効果が現れてくるものです。体を動かす技術についても同様のことが当てはまり、やはり反復練習が重要なのです。

たとえ少ない回数でも長い期間続けていくことがとても大切。だからこそ、諦めることなく楽しんで続けられるトレーニングメニューを選択していきましょう。

ケガをしないように十分なストレッチをしましょう

トレーニングの8原則は筋トレやダイエットなどあらゆる運動に共通するもの。運動の前後には十分にストレッチを行い、くれぐれもケガのないようにしましょう。