私たちは他人の何気ない一言で傷つき、ほんの小さなことを引きずって眠れなくなり健康を崩す。
しかし、私たちの心はそんなに弱くはありません。
今回は1人の女性の物語を紹介します。
振り返ればいろんな事があった
学生時代は進学校で勉強一筋、第一志望の大学に進み、地方から東京へ上京した。
一旗上げようと思っていた。
皆が憧れるような大企業に就職を決め、真面目に一生懸命に働き、業界で噂になるほどのビッグプロジェクトをやり遂げるまで成長した。
幸いなことに役職も与えられ、はじめての女性管理職とのことだった。
学生時代から付きあっている彼との結婚も見えていた。
すべてが順風満帆だった。
私を悪く言う人がいた
環境に恵まれなかった
私だって苦労がまったく無かったわけじゃないのに、私のことを悪く言う人がいた。人のことを土足で踏みにじる彼をどうしても許せなかった。
どうして私のことをあんなに悪く言うんだろうか。
今でも私にはあの人が何を考えていたのか分からない。
私は健康面から崩れ始め、拠りどころを無くし、人生に大ダメージを受けた。
もう、何を信じていいのか分からなくなった。
いっそ消えてなくなろう、とさえ思った。
このとき私は環境に恵まれてないと思った。
そんなことはないのに。なぜだかそう見えていた。
ふと顔を上げた
私は前を向くのだ
近所のコンビニの帰り道。人生を振り返りながらぼんやり横断歩道を待っていたら信号が変わった。ふと自然に顔を上げたとき、なぜか心の皮が1枚むけた。
この時の気づきは今でも覚えている。
私の心は私を助けてくれたのだ。
今まで私は人に助けられてきた。
ありもしないことを言われたし、無理難題も経験してきた。
メンタルを崩してあんなに楽しかった仕事も出来なくなった。
それでも私は前を向く。
また誰かの役に立てるかもしれない。
環境に巻き込まれるも環境を作るのも自分次第なのかもしれない
人は他人のことを言いたいように言う。そんなことも忘れていた。
もっと警戒心を持って社会と接するべきだった。
でも、もっと大切なことも忘れていた。
助けてくれる人がいるのだ。
私は一部の環境に振り回されていただけだったのだ。
もっと早く周りに相談すればよかったのかもしれない。
他人は自分を映す鏡だったのかもしれない。
私に向けられた刃は、私が周囲に与えていたものだったという可能性も否定はできないのだ。
もう一度やり直そう。何度だって立ち上がって見せる。
私はもう一度自分を信じようと思う。
困ったときには誰かが助けてくれる
ふと気づいたことがある。
環境の良し悪しなんて自分で変えられるのだ。
大切なのは自分を大切にしてあげること。
私たちは群れの中で生活をし、集団という社会の中で生きている。時には激しくぶつかり、時には柔らかいクッションになる。
世の中に人に傷つけられる人はたくさんいると思う。
そして自分の力で自分を守れる人は少ないと思う。
それでも、困った時にはきっと誰かが助けてくれる。
人に傷つけられた人生でも、また人に助けられるのだ。