私たちは仕事に定量化を期待しています。数えられないものは管理できません。1日の終わりには今日終わらせたタスクの数すら数えたいのです。

ですが、実直な性格の人ほど定量化できない曖昧な状況に遭遇することもたしかです。答えが無いこと自体がさらに状況を悪化させます。

不確定要素を数えだしたらキリがない

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曖昧な状況は不安を呼び、不安を数え始めたらキリがありません。それこそ不確定要素は星の数ほどあります。このままでは仕事が終わりません。

仕事の基本は5W1H。主体的に仕事に取り組むことは、その仕事が何かを本質的に明確にすることでもあります。そもそも仕事にはお客さんがいますし、自分だけで完結させられる仕事は存在しないと心得るべきです。人間関係の経緯や言葉の背景などによって曖昧になってしまった仕事を無理に定量化して管理しようとすることは現実的には不可能なのです。

定量化という枠組みを外すことが出来れば状況は一変します。数値化は難しくても、仕事に対してある程度の区切りをつけることなら可能でしょう。定量化は出来なくても仕事の完了は定義が出来るのです。

自分に出来ることとそれ以外を見極める。

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どんな仕事にも完了や決裁が必要であり、決定権者が曖昧な仕事は案外多いもの。賛成もあれば反対もあるのが組織であり、その案件に関わっている人が多岐に渡るほど利害関係が多様化してしまい、口を出してくる人が増えてきます。

ここで必要なのは自分に決められる範囲を決めること。前向きな仕事の線引きです。この世界では決めることに最も価値があります。仕事を進めるためには決めなければなりません。

誰かがやらなければ仕事というのは終わりません。他の誰かが担当すべきであれば、そうなのです。自分に対処できない仕事は誰かに対処してもらうほかありません。

自分にコントロールできるものだけをコントロールする。

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自分で完了することが出来ない世界に曖昧に関わり続けるのはあまり得策ではありません。誰がその仕事を的確に終わらすことが出来るのか、という視点から仕事を整理してみてはいかがでしょうか。

人の役に立ちたいという価値観を持っている人、献身的な人ほど明確に線引きの仕方を覚えることでさらに誰かの役に立てるようになれるでしょう。

周囲の状況を気にしながら様々な仕事に取り組む姿勢は、明らかに散漫であり余計な仕事を増やします。図らずとも曖昧な態度は曖昧な仕事を量産してしまうのです。自分がコントロールできる範囲のことをコントロールしましょう。