周りからの仕事の割り込みが多くて、本来自分がやるべき仕事に集中できなくてお困りではありませんか?
いわゆる割り込み仕事が多い職場では、電話対応や急な打ち合わせなどが多くてなかなか自分の時間が確保できません。
もちろんそのような環境においても通用する王道のテクニックはあります。それはずばり「集中力」です。なにをいまさら、という印象があるかもしれませんが、意識的に集中力を維持することは、どんな仕事環境でも仕事の生産性を向上が期待できます。
たとえいまのストレスの多い仕事環境がすぐに改善されないのだとしても、まずは自分で出来ることから少しずつ変えてみるのが前向きで良いと思います。
今回の記事では集中力を維持して仕事の生産性を向上するコツをご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
割り込み仕事が多い職場とは?
そもそも割り込み仕事が多い職場とはどのようなものでしょうか?それらの共通の特徴がわかれば、改善すべきポイントも見えてきます。
問合わせ対応や電話が多い
一般的には問合わせや電話対応を担当するコールセンターのような部署ではなく、通常業務があるにもかかわらず顧客や他部署からの電話や問い合わせが殺到しているような職場は、割り込み仕事が多いといえます。
特に電話のインバウンド対応は、時間と集中力を一気に奪う割り込み仕事です。担当者が対応可能なキャパを超えるほど割り込みが多いのであれば、本来自分がしなければいけない仕事に手をつけられないでしょう。
例えば、プレゼン発表資料の作成やマーケティングリサーチ報告などクリエイティブな仕事をしているときに、問い合わせ電話対応が重なれば、誰だって集中力がそがれてしまい頭の整理ができません。
自分の仕事に集中しているときに、仕事を割り込みされると、意識の切替が必要になってきます。この意識の切替コストは、想像以上に高くので注意が必要です。
急ぎの作業依頼が多い
経営企画や営業事務の部署でよくあることですが、急ぎの作業依頼や頼み仕事が多いことも割り込み仕事が多い職場の特徴です。
周りからの頼み仕事をそのまま割り込んで受けてしまうと、自分が対応する順番が変わってしまい、それまで自分が取り組んでいた別の急ぎの仕事が対応できなくなってしまいます。さらに、優先順位を下げられたその仕事は仕掛かりの状態で放置されるため、トラブルの原因にもなりかねません。
もし平気で緊急対応の依頼を割り込みしてくる人や口頭で重要事項を伝えてくる人からの対応に追われているようであれば、適切な業務管理が必要です。誰だって自分の仕事は早く終わらせて欲しいと思っているものです。
ストレスを感じるほど仕事を軽い気持ちで割り込みしてくる人への対応は、管理職など上の人から交通整理してもらうのがよいでしょう。担当者同士で個別にやりとりしても解決に至らない可能性があるためです。
イレギュラーな会議が多い
イレギュラーな会議が多い職場も割り込みが多い職場です。
多少の確認事項だけであれば、メールやビジネスチャットを使うほうが効率的ですし、それが会議である必要はありません。
特に在宅ワークが浸透している会社では、リモート会議が開催しやすくなっているため注意が必要です。TeamsやZoomなどによるリモート会議の招集は、必須出席者と任意出席者の違いが分かりにくく、ビジネスライクに自分が参加しなければならないのかどうか確認すべきでしょう。
どのように会議を開催するかは会社の文化によるところが大きいものですが、声の大きい人がなにかを思いつくたびにメンバー全員を招集するようであれば適切な会議ルールが求められます。
とはいえ、会議のやり方について体系的に学ぶ機会が少ないのも事実です。スマートな会議についてまとめたベストセラー書籍『最高品質の会議術』がこちらのリンクからならただいま特別価格キャンペーン中です。
トラブルやクレームが多い
トラブルやクレームが多い職場は明らかに割り込み仕事が多いといえます。
特に予想外のトラブル対応は仕事の緊急度と重要度が高く、頻繁にトラブルが発生するようであれば、通常業務の遂行に支障が出てくるでしょう。
割り込み仕事が多い職場に配属されたらどうしたらよいのか
さて割り込み仕事が多い職場に配属されたらどうしたらよいのでしょうか。自分一人だけで問題を抱え込み過ぎないように、周囲と相談しましょう。
働き方や仕事観を変える
割り込み仕事が多い職場に適した考え方はありますし、働き方や仕事観は職場によって決めつけられるものではなく人の意思で変えられるものです。
やらねばならぬ精神で耐え抜こうとする仕事観もありますし、上手に手を抜いて飄々(ひょうひょう)とした働き方を選択することもできます。
いま所属している職場と自分に合った働き方について、一度落ち着いて考えてみることをおすすめします。
普段忙しく過ごしていると、自分の長所を見直したり、どういう適性があるのか考えることも少ないと思います。
働きやすい職場に異動願いを出す(または転職する)
もし仕事量が完全にキャパオーバーとなっている状態で、かつ仕事の調整がきかないような環境であれば、心身の不調をきたす前に異動願いを出すか転職することを推奨します。
仕事の処理能力や許容量は人それぞれであるため一概には言えませんが、割り込み仕事はかなりのストレスになります。仕事に追われてストレスが限界になる前に自分が働きやすい職場を探すことも正しい選択だと思います。
高いストレスを感じながら働いていると徐々に仕事の品質が下がったり、失敗も増えてくるでしょう。それを焦って取り戻すためにさらなる悪循環に陥ってしまう可能性だってあります。
最終的に自分を守るのは自分だと思います。探せば働き口はたくさんあるのでいまの職場で我慢し続けなければならない、と決まっているわけではありません。
集中力を維持するテクニックを身につける
上手に仕事をコントロールしたり、集中力を高めるテクニックを身につけることをおすすめします。
教科書的な王道なビジネススキルはどのような職場でも通用するものです。
円滑に仕事を進められるようになるためにも、自分自身を守るためにもまずは出来る範囲でやり方を変えてみましょう。
ちなみに、ヨガを始めると集中力が上がると言われています。気軽にヨガを始めるならこちらの記事もどうぞ。
集中力を維持して生産性を向上させるコツ
それでは集中力を維持して仕事の生産性を高める方法をご紹介します。
仕事のゴールを明確に決める
ゴールを明確にしてから仕事に取り組む方法は、基本にして王道の仕事の進め方です。それは割り込みが多い職場でも変わりません。
予定を明確にしていなければ周囲に流されてしまいます。取り組もうとしている仕事の完了基準や落としどころを明確に言語化してから集中モードに入るようにしましょう。
どんなに手を動かすのが速い人でも、何をもって終わりとしたらいいか分からないまま作業に取り組んでいたら、いつまでたっても仕事は切り上げられません。
忙しい職場ではとにかく仕事をさばくことが求められますが、そういうときこそゴールを明確にするべきです。このやり方に慣れてくると、急な割り込みが入ってきても、仕事の区切りがつけやすいのでテンポよく対応できるようになってきます。
どんな職場でも通用する作業効率の正しい上げ方を学びたい方はこちらの動画をどうぞ。
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1日の時間割を書き出す
1日の時間割、つまりタイムスケジュールを書き出しましょう。特に自分の予定に割り込み仕事が入ってくることがある程度想定できるのなら、割り込み仕事を考慮した時間割を作りましょう。
予定表に書くのは会議情報だけでは足りません。作業の時間も明記すべきです。
なお、経済学の用語で「収穫逓減の法則」という言葉があります。これは要約すると、1つの仕事から得られるアウトプットは徐々に減っていくということです。
収穫逓減(しゅうかくていげん、英: diminishing returns)は、経済学用語であり、収穫逓減の法則とも呼ばれる。固定および可変の入力(例えば工場規模と労働者数)のある生産システムで、可変入力がある点を過ぎると、入力の増加が出力の増加に結びつかなくなっていく。逆に製品をより多く生産するのにかかるコストは増大していく。
この「収穫逓減の法則」の観点からも、1つの作業のみに没頭して取り組み続けるよりも、バランスよくある程度の時間で区切りをつけて仕事を進めるほうが全体的な効率が上がります。
意識的に休憩する
意識的に休憩を取りましょう。1日の勤務時間は集中力を持続できる時間よりも長いということを忘れてはいけません。
一般的にオフィスワークに従事している成人男性の集中力は平均3時間程度と言われています。そして一度に集中できる時間はせいぜい30~40分程度。割り込みが多い職場では、これくらい短い時間を区切りにして仕事をする必要があるのです。
もちろん昼食を取る時間が無かったり、休憩することが難しいような職場もあるでしょうが、「適切な息抜きも仕事のうちである」と考える意識も大切です。
それぞれの環境に合わせて休憩を前向きに取りましょう。
まとめ
いつの間にか途切れてしまって一度途切れるとなかなか取り戻せないのが集中力の困ったところ。割り込みの電話が入ったり、急ぎの電話を取って対応した後には、自分が何をしていたか思い出せなくなるときがあります。
とはいえ集中力がまったく0(ゼロ)という状態というのは現実的には考えられません。定量的にいうと0から100のうちどこかあるものだと思います。
特に割り込み仕事の多い職場では、仕事の優先順位が目まぐるしく変わります。
このような職場環境では、集中力の最大出力を100とすると、おおよそ30くらいで緩やかに集中して仕事に取り組む姿勢がバランスが取れていて適切だと思います。
集中力のバランスを取りながら仕事に追われる立場から脱却していきましょう。